経営評価委員会開催状況平成30年度
平成30年度 第1回(平成30年7月5日(木))
1. 理事長挨拶
平成30年度からの新たな国保制度について、施行から3か月経過したところであるが、国保の被保険者資格を都道府県単位で管理するための「国保情報集約システム」については、4月から大きな混乱もなく稼働している。
また、「国保事業費納付金等算定標準システム」についても、東京都が行う国保事業費納付金等の算定業務を支援するため、本会では市町村基礎ファイルのデータ収集及び検証作業等を実施したところである。
これらのシステムは、今般の国保制度の運営において、極めて重要な役割を担っていることから、引き続き、しっかりとシステムの管理・運用業務に取り組んでいく。
また、国保総合システムについては、最終的なデータ移行及び運用テストを終了し、平成30年3月から稼働しており、その後、4月の診療報酬改定についても、無事に対応している。今後も、システムの安定稼働に向け、万全を期していく。
このような情勢の中、本会では、第3次経営計画の目標達成に向け鋭意取り組んでいる。
本日は、第3次経営計画第1期実施計画の最終年度となる平成29年度における各計画事項の取り組み実績を報告するとともに、3年間の取り組みの総括についても併せて報告するので、何とぞ十分なご審議を賜りたい。
2. 議事
- ①平成29年度における年度総括及び外部評価について
平成29年度における第3次経営計画の執行状況について実施主管部長から報告後、委員から説明内容に対する質問があった他、ご意見等をいただいた。
- ②平成29年度決算について
出納室から平成29年度の決算報告を行った。
- ②第3次経営計画第1期実施計画における3年間総括(案)について
各計画の3年間における総括を取りまとめた第3次経営計画第1期実績報告書について説明を行った。
3. 委員からの主要質問
- ①計画№1-1-2「審査事務共助の充実」について、自己評価が「B」となっているが、内部評価は「A」となっている。自己評価において、御会の統一的な基準、内規的なものがあるのか。また、目標がいくつかある中で、ハードルの高い目標が入っていても、評価上のウエイトは同じなのか。
- ②計画№2-2-1「人材育成基本方針に基づく人材育成」について、御会の職員採用試験の内容をお伺いしたい。また、採用試験において、若手職員にグループ面接の評価をさせているとのことだが、職員採用試験に係る若手職員の活用の考え方についてお伺いしたい。また、これからの御会を担うためにどのような人物像を考えているのか。
- ③計画№1-3-1「介護保険制度改正に対応した苦情相談業務の拡充」について、苦情相談情報の検索システムをホームページに公表したということであるが、検索システムの利用状況、検索システムの苦情情報件数の掲載数についてお聞かせいただきたい。また、利用者数を伸ばすための今後の施策についてお聞かせいただきたい。
- ④計画№3-2-1「国保総合システムの機器更改に係る次期国保総合システムへの移行」について、次期国保総合システムが平成30年1月から稼働の予定が平成30年3月から本稼働となったとのことである。今後も、新規システムの導入には、厚労省、国保中央会、支払基金等の関係者と協議し、既存のシステムを組み合わせ、統合していくと思うが、開発・導入経費とランニングコストの抑制について対策や方針をお聞きしたい。
- ⑤計画№1-1-1「審査の充実」について、レセプトの審査は、国保中央会等、各審査支払機関が新しい情報、知見に基づいた統一的な審査に向けた取り組みをしていると思うが、御会はそれをいち早く取り入れ、また、いろいろな情報を発信するリーダー的役割も担っていかなければいけないと思う。そのような点から見た審査基準の普及、統一化の役割について、どのようなことをされているのか教えていただきたい。
- ⑥計画№3-2-1「国保総合システムの機器更改に係る次期国保総合システムへの移行」について、自己評価も内部評価も「B」評価だが、国保中央会のシステムが上手く稼働しない、また、運用に一部制限事項がかかるというのは、保険者に迷惑がかかるため、厳しい評価をせざるを得ない。運用に係る一部制限事項に関する現状と、今後の対応の見込みを教えていただきたい。
4. 質問に対する回答
- ①自己評価の統一基準として「自己評価チェックシート」というものを用いており、 当該計画の評価は3つの項目から総合評価をしている。3つの項目別評価のうち、2つが「A」評価であったが、1つの項目が「C」評価となっていたため、自己評価の統一基準から、自己評価が「B」となった。しかし、全体の実績としては良い結果を出していたため、内部評価では「A」とした。自己評価項目間におけるウエイトは同じである。
- ②今年の採用試験内容は、グループディスカッション、SPI(適性)検査、論文、管理職面接、役員面接までの5次試験である。職員採用試験に係る若手職員の活用については、若手職員によるリクルーター制度や、新規採用職員に対するメンターを担うことを検討しており、若手職員が採用者への接し方を把握しやすくするため、グループディスカッションに参画させた。本会を担う人物像は、今後頭脳集団へ転換していくことを想定し、多様な人材の獲得を目標としている。
- ③検索システムへのアクセス数は、平成30年7月2日現在1,267件である。また、苦情情報の掲載数は、747件である。今後、年数回程度、検索対象情報を増やしていく予定である。検索システムの周知については、本会ホームページ、事業者対象のメールマガジン、新規サービス事業者説明会、介護サービス通信、保険者研修会への講師派遣時の周知、東京都で発行している福祉系広報誌で実施した。今後、検索システム利用促進のため、事業者に周知するリーフレットの作成、配布を検討している。
- ④開発・導入経費を抑制する方法は、「単純機器更改」とすることが経費の抑制に繋がると考えられており、国保中央会のシステム委員会にて、次回はできるだけ「単純機器更改」と方向付けがされている。なお、次の国保総合システムの更改時期である平成36年度においては、支払基金の新システムとの関係を気にかける必要があるため、引き続きこれらの動向に注視していきたい。ランニングコストを低減する方法は、国保総合システム更改後、性能が向上しているバッチ処理もあり、これに係る運用業務の効率化等を検討したい。また、国保総合システムに係る運用委託業務について、プロポーザルによる委託業者選定の実施を計画している。市場の競争原理を働かせ、経費の縮減に努めたい。
- ⑤審査基準の統一を推進するために全国保連合会のうち8割以上が採用している審査基準は、全国国保診療報酬審査委員会会長会議で承認を得た、全国保連合会共通の審査基準があり、現在29項目が確定している。常務処理審査委員等の「審査基準統一推進検討会」にて、この29項目の拡充を進めている。なお、告示・通知等で審査基準が明確な項目については、「審査委員会の取り決め事項」として、職員が3,354項目について事務付託を受けている。
- ⑥運用に係る一部制限事項については、アプリケーションの故障の影響などにより、本来のシステム設計どおりの結果が得られていない事象がある。今後の対応見込みについては、既に保険者へ暫定的な対処方法を提示しており、制限事項が保険者業務を著しく阻害するまでには至ってない認識である。また、本稼働以降の障害発生件数は合計20件で、故障対応完了済は9件、対応未完了は11件である。11件のうち、対応の目途が立っているものは6件、対応検討中は5件となっている。引き続き、国保中央会に強く要請を続けていく。
平成30年度 第2回(平成30年12月14日(金))
1. 理事長挨拶
今年度の国保制度改正により、都道府県が財政運営の責任主体を担うこととなった。このことに伴い、本会では国保事業費納付金等算定標準システム及び国保情報集約システムについて、管理・運用を行っている。
4月の施行当初から順調に管理・運用を行っており、引き続き、これらの関連業務にしっかりと対応していくことで、新制度の安定的な運営に寄与してまいりたい。
一方、昨年、厚生労働省と支払基金が公表した「支払基金業務効率化・高度化計画・工程表」を受け、国保側として公表した「国保審査業務充実・高度化基本計画」では、主に審査基準の差異解消に向け、8割の国保連合会が採用する審査基準を全国統一ルールとすることについて、国保中央会を中心に項目の拡大を図っている。
また、一定点数以上の高点数レセプトの審査については、現在、国保中央会に委託しているが、来年7月審査分からその対象点数を引き下げる等の対応を予定している。
このような情勢の中、本会では、本年度を初年度とする第3次経営計画の第2期実施計画について、取り組みを進めている。
本日は、平成30年度の上半期における各計画の取り組み実績について、何とぞ十分なご審議を賜りたい。
2. 議事
- 平成30年度上半期における執行状況及び外部評価について
平成30年度上半期における第3次経営計画の執行状況について、実施主管部長から報告後、委員から説明内容に対する質問があった他、ご意見等をいただいた。
3. 委員からの主要質問
- ①計画№1-1-2「審査事務共助の充実」について、外科系のランプ設定のみが不十分であったことに関して、元々何らかのミスがあったのか、平成30年4月の点数表の改正に併せたランプ設定がうまくいかなかったのか、またはそれ以外の要因が影響したのか。
- ②計画№1-1-3「療養費の適正化に向けた審査の充実」について、今後、業務量が増えていく中で「プロポーザル方式による業者選定の検討を開始」とあるが、委託する業務はどのようなものか。また、現在は紙面で審査を行っているが、今後、診療報酬の審査のように更なる効率化を求めて電子化される予定はあるのか。
- ③計画№1-2-1「保険者が推進するデータヘルス計画に係る支援」について、今後の課題に「支援を要請する保険者が毎年固定化している傾向にある」とあるが、支援の充実強化に向けて、今後どこに力を尽くして支援していくのか。
- ④計画№2-2-1「人材育成基本方針に基づく人材育成」について、今年度から係長職昇任について人事制度が変わってこれまでの選考試験が廃止され、能力実証を踏まえた昇任審査会による係長職選出が導入されているということだが、今後の人材育成に向けた研修をどのような内容にしていくのか、また組織としてどのようなフォローアップを行っていく考えなのか。
- ⑤計画№1-3-1「介護給付適正化の推進」について、今まで実際に保険者を訪問してきて、保険者が適正化の課題としているものがどのようなものがあり、御会への要望としてどのようなことの支援を求められているのか。
また、その要望に対し、御会としてどのような取り組みを行っていくのか。
4. 質問に対する回答
- ①4月の点数表改正の影響はある。今回の外科系の項目チェックが不十分であったことについて、チェック内容には確実に減点する項目と、内容を確認するためのものがある。今回不十分だった項目は、外科系の内容を確認するチェック項目の設定だったので、その対応をした。
- ②業務委託範囲は、請求が全て紙でくることから、紙請求のデータ作成、入力等補助的業務の一部を委託している。
請求の電子化は、昨年、厚労省医療保険部会の下部組織である柔道整復専門委員会において、平成30年度から電子請求に向けた検討をする旨答申している。電子化にあたり、モデル事業をすることになっている。医療で約20年前から始まっている電子化の良い点、反省点を踏まえて厚労省、日本柔道整復師会、東京都柔道整復師会、国保中央会、本会で勉強会を始めている。
- ③今後、保険者の掘り起こしを進め、保険者支援を拡大するためには、本会の担当者職員の体制が十分でない。初めに、本会の体制強化を図ったうえで、保険者支援を推進し、保険者の固定化を改善したいと考えている。
- ④今後、交渉力やコーチング、お互いを尊重しながら意見を交わす、アサーティブコミュニケーション等の研修を検討している。
フォローアップについては、今後は、研修を行った際、受講者に対し「学習到達」「行動変容」「成果達成」等の到達度を測るフォローアップが有効と考えている。例えば、研修受講の数か月後に研修でのポイントをメールで送る等、受講者の研修の成果を持続させることを考えている。
- ⑤保険者から他県事業所分の縦覧点検を本会で行ってほしいという要望が多かったので、今後は縦覧点検と医療情報との突合を中心に保険者の事務負担軽減を目的とし、本会が保険者に代わって過誤調整までできる項目を増やしていきたいと考えている。なお、項目追加にあたり、介護保険者と連携を密にして要望を正確に把握し、実施していきたいと考えている。
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